この記事で分かること
- IELTS・TOEIC・TOEFL・英検の正確な換算表
- 換算表を鵜呑みにできない理由(4技能と2技能の壁)
- TOEICスコア別のIELTS目標達成戦略
- 必要な語彙数の違いと効率的な学習法
- よくある質問への回答
【結論】IELTS・TOEIC換算表と重要ポイント3つ
スコア換算表(CEFR基準)
以下は、CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)を基準にした換算表です。
IELTS | TOEIC L&R | TOEFL iBT | 英検 | CEFR | レベル目安 |
|---|---|---|---|---|---|
9.0 | — | 120 | — | C2 | ネイティブ同等 |
8.5 | — | 117-119 | — | C2 | 熟練者 |
8.0 | 970-990 | 110-116 | 1級+ | C1 | 上級者 |
7.5 | 945-970 | 102-109 | 1級 | C1 | 上級者 |
7.0 | 870-945 | 94-101 | 1級 | C1 | 準上級 |
6.5 | 820-870 | 79-93 | 準1級+ | B2 | 中上級 |
6.0 | 740-820 | 60-78 | 準1級 | B2 | 中上級 |
5.5 | 600-740 | 46-59 | 2級+ | B1 | 中級 |
5.0 | 550-600 | 35-45 | 2級 | B1 | 中級 |
4.5 | 500-550 | — | 準2級 | A2 | 初中級 |
4.0 | 450-500 | — | 3級 | A2 | 初級 |
出典: 各試験の公式情報およびCEFR対照表を基に作成。換算値は目安であり、公式には発表されていません。
換算表を見る前に知っておくべき3つのポイント
1. 公式の換算表は存在しない
IELTS、TOEIC、TOEFLの運営元が公式に「◯点=△点」という換算表を発表したことはありません。上記の表は、CEFRレベルを基準にした「目安」です。
2. TOEICは2技能、IELTSは4技能
TOEICのL&Rテストはリスニングとリーディングのみ。IELTSはこれに加えてスピーキングとライティングが必須です。この差は大きいです。
3. TOEIC高得点でもIELTSで苦戦する人は多い
TOEIC 900点台でも、IELTS初受験で5.5〜6.0という人は珍しくありません。アウトプット力(話す・書く)は別途対策が必要です。
IELTSとTOEICの違い【5つの観点で徹底比較】
前提: IELTSには「Academic(大学進学用)」と「General Training(移住・就労用)」の2種類があります。本記事では、留学で使われるAcademicを対象に比較します。
比較表
項目 | IELTS | TOEIC L&R |
|---|---|---|
測定技能 | 4技能(L/R/W/S) | 2技能(L/R) |
試験時間 | 約2時間45分 | 約2時間 |
受験料 | 25,380円〜 | 7,810円 |
スコア有効期限 | 2年間 | なし(ただし企業により2年以内を求めることも) |
主な用途 | 海外留学・移住・就労ビザ | 就職・昇進・社内評価 |
出題形式 | 記述式(手書き含む) | マークシート |
難易度 | 高い | 中程度 |
1. 測定技能の違い(最大の違い)
TOEIC L&R - リスニング:45分(100問) - リーディング:75分(100問) - 合計:200問のマークシート
IELTS - リスニング:30分(40問) - リーディング:60分(40問) - ライティング:60分(2問、記述式) - スピーキング:11-14分(対面インタビュー)
重要なポイント: TOEICは「正解を選ぶ」テスト、IELTSは「答えを作り出す」テストです。この違いが、換算表通りにいかない最大の理由です。
2. 難易度の違い
なぜIELTSの方が難しいと言われるのか?
観点 | TOEIC | IELTS |
|---|---|---|
語彙レベル | ビジネス英語中心 | アカデミック英語含む |
解答形式 | 4択マーク | 記述・空欄補充・エッセイ |
スペリング | 不要 | 必須(減点対象) |
文法ミス | 影響なし | ライティングで減点 |
実体験: 私はTOEIC 850点の状態でIELTS対策を始めましたが、ライティングTask 2(エッセイ)が壊滅的でした。「読める・聞ける」と「書ける・話せる」は全く別のスキルだと痛感しました。
3. 費用と受験頻度
項目 | IELTS | TOEIC L&R |
|---|---|---|
受験料 | 25,380〜27,500円 | 7,810円 |
年間実施回数 | ほぼ毎週(会場による) | 年10回 |
結果発表 | 3〜5日(PC版)/13日(紙版) | 約17日後 |
IELTSは受験料がTOEICの約3倍と高額なため、「とりあえず受けてみる」が難しい試験です。事前準備が重要になります。
4. 認知度と活用場面
TOEIC が有効な場面 - 日本国内の就職活動 - 社内の昇進・昇格要件 - 語学力のベースライン証明
IELTS が必須な場面 - 海外大学への進学(特にイギリス・オーストラリア) - 海外大学院への出願 - 英語圏への移住ビザ申請(カナダ、オーストラリアなど) - 海外での就労ビザ取得
注意: 海外留学にTOEICは基本的に使えません。「TOEIC 900あるから大丈夫」という認識は危険です。
5. スコアの意味
TOEICのスコア - 10〜990点のスケールで、5点刻み - 「何点以上でこのレベル」という明確な基準はない - 企業ごとに求めるスコアが異なる
IELTSのスコア - 1.0〜9.0のバンドスコア、0.5刻み - 4技能それぞれと総合(Overall)スコアが出る - 大学ごとに「Overall 6.5、各セクション6.0以上」など明確な基準がある
【重要】換算表を鵜呑みにできない3つの理由
理由1: スピーキング・ライティングの壁
TOEICで900点以上を取っても、IELTSのスピーキングとライティングは別途対策が必要です。
私の経験:
セクション | TOEIC 850時点の予想 | IELTS初受験の結果 |
|---|---|---|
リスニング | 6.5 | 6.0 |
リーディング | 6.5 | 6.5 |
ライティング | 6.0 | 5.0 |
スピーキング | 6.0 | 5.5 |
Overall | 6.5 | 5.5 |
リーディングは予想通りでしたが、ライティングとスピーキングで大きくスコアを落としました。特にライティングTask 2は、250語以上のエッセイを40分で書く必要があり、これはTOEICでは一切鍛えられないスキルです。
理由2: アカデミック英語への対応
IELTSのリーディングには、科学論文や学術的なトピックが頻出します。
TOEICとIELTSの頻出トピック比較:
TOEIC | IELTS |
|---|---|
会議の日程調整 | 環境問題の研究 |
製品の発注 | 都市計画の歴史 |
社内メール | 心理学の実験 |
店舗の営業時間 | 言語発達理論 |
TOEICはビジネスシーン中心ですが、IELTSはアカデミックな内容が多く、専門的な語彙力が求められます。
理由3: 「正解を選ぶ」と「答えを作る」の違い
TOEICは4択問題なので、消去法や文脈からの推測で正解できることがあります。しかし、IELTSは:
- リスニング:聞き取った内容を「書く」
- リーディング:空欄に「単語を書く」
- ライティング:エッセイを「ゼロから書く」
- スピーキング:質問に「自分の言葉で答える」
重要: 「なんとなく分かる」では通用しません。正確なスペリング、適切な語彙選択、論理的な構成力が必要です。
TOEIC → IELTS 目標スコア別の学習戦略
TOEIC 600台 → IELTS 5.5 を目指す場合
現状分析: - 基礎的なリスニング・リーディング力はある - 語彙力は約3,000語程度 - アウトプット経験はほぼゼロ
必要な学習期間: 約4〜6ヶ月
学習戦略: 1. 最初の1ヶ月: 基礎文法の総復習 + IELTS形式に慣れる 2. 2〜3ヶ月目: リスニング・リーディングの問題演習 + 語彙強化 3. 4〜6ヶ月目: ライティング・スピーキング集中対策
語彙目標: 約4,000語(IELTS頻出1,000語を追加)
TOEIC 700台 → IELTS 6.0 を目指す場合
現状分析: - インプットスキルは一定レベル - 語彙力は約4,000語程度 - アウトプットの基礎練習が必要
必要な学習期間: 約3〜4ヶ月
学習戦略: 1. 最初の2週間: IELTS模試を受けて弱点を把握 2. 1〜2ヶ月目: 弱点セクション集中対策 + 語彙強化 3. 3〜4ヶ月目: 全セクション総合演習 + 模試
語彙目標: 約5,000語
TOEIC 800台 → IELTS 6.5 を目指す場合
現状分析: - リスニング・リーディングは6.0〜6.5レベル - 語彙力は約5,000語程度 - スピーキング・ライティング対策が鍵
必要な学習期間: 約2〜3ヶ月
学習戦略: 1. 最初の1ヶ月: ライティングTask 1/Task 2の型を習得 2. 2ヶ月目: スピーキングPart 2/Part 3の練習 3. 3ヶ月目: 総合演習 + 模試で仕上げ
語彙目標: 約6,000語
私の経験: TOEIC 850からIELTS 6.5を達成するまで、約3ヶ月かかりました。特にライティングの型(Introduction → Body → Conclusion)を覚えることで、スコアが5.0から6.5に上がりました。
TOEIC 900台 → IELTS 7.0 を目指す場合
現状分析: - インプットスキルは高い - 語彙力は約6,000語程度 - 高度なアウトプット力が求められる
必要な学習期間: 約2〜4ヶ月
学習戦略: 1. 継続的に: アカデミック語彙の強化 2. ライティング: バンド7の評価基準を意識した練習 3. スピーキング: 複雑な文構造・幅広い語彙を使う練習
語彙目標: 約7,000〜8,000語
注意: TOEIC 900以上でも、IELTS 7.0は簡単ではありません。多くの大学院では「Overall 7.0以上、各セクション6.5以上」といった条件があり、1つでも6.0があるとOverall 7.0でも不合格になることがあります。
【独自データ】必要語彙数の違い
TOEIC と IELTS の必要語彙数比較
WordSprintアプリの439人のユーザーデータと、各種研究データを基に分析しました。
目標スコア | TOEIC | IELTS(総語彙数) | IELTS専用語彙 |
|---|---|---|---|
入門 | 約3,000語 | 約4,000語(5.0) | 約2,500語 |
中級 | 約4,000語(700点) | 約5,000語(5.5) | 約3,000語 |
中上級 | 約5,000語(800点) | 約6,000語(6.5) | 約3,500語 |
上級 | 約6,000語(900点) | 約8,000語(7.0) | 約4,500語 |
補足: 「総語彙数」は基礎語彙(中学・高校レベル)を含む数、「IELTS専用語彙」は新たに覚える必要がある語彙数です。TOEIC高得点者は基礎語彙を持っているため、IELTS専用語彙(約3,500語)を追加学習すれば6.5は十分狙えます。
ポイント: IELTSの方が同じレベルでも1,000〜2,000語多く必要です。これはアカデミック語彙(academic vocabulary)が加わるためです。
TOEICからIELTSへ移行する際に不足する語彙
TOEICで高得点を取れる人でも、IELTSで必要になる語彙は異なります。
不足しやすい語彙カテゴリ:
カテゴリ | 例 | TOEIC | IELTS |
|---|---|---|---|
環境問題 | sustainability, biodiversity | 稀 | 頻出 |
都市計画 | infrastructure, urbanization | 稀 | 頻出 |
心理学 | cognition, stimulus | 稀 | 頻出 |
社会学 | demographic, socioeconomic | 稀 | 頻出 |
歴史 | civilization, revolution | 稀 | 頻出 |
効率的な語彙強化の方法
TOEICからIELTSへ移行する際、ゼロから語彙を覚え直す必要はありません。
ステップ1: 現在の語彙力を把握 - TOEICで覚えた語彙はIELTSでも有効 - 特にビジネス系リーディングは活かせる
ステップ2: IELTS頻出語彙を追加 - 約1,500〜2,000語のIELTS特有語彙を追加 - 「実践IELTS英単語3500」などの教材が効果的
ステップ3: アウトプットで定着 - ライティングで使う練習をする - 「知っている」から「使える」へ
よくある質問(FAQ)
Q1: TOEICで何点取ればIELTS 6.5が取れますか?
A: 目安としてはTOEIC 800〜870点ですが、単純にスコアを持っていれば取れるわけではありません。
TOEIC 850点でもIELTS初受験で5.5だった私の経験から言えることは: - リスニング・リーディングは換算表通りのスコアが出やすい - スピーキング・ライティングは別途2〜3ヶ月の対策が必要
Q2: IELTSとTOEIC、どっちが難しいですか?
A: 一般的にIELTSの方が難しいとされています。
観点 | 難しい方 | 理由 |
|---|---|---|
技能数 | IELTS | 4技能 vs 2技能 |
出題形式 | IELTS | 記述式・エッセイあり |
語彙レベル | IELTS | アカデミック英語含む |
受験料 | IELTS | 3倍以上高い |
ただし、「どちらが難しいか」より「どちらが自分の目的に合っているか」で選ぶべきです。
Q3: TOEICのスコアを持っていれば海外留学できますか?
A: 基本的にはできません。
海外の大学・大学院は、ほぼ例外なくIELTSまたはTOEFLのスコアを要求します。TOEICは日本・韓国以外での認知度が低く、アカデミックな英語力の証明としては認められていません。
例外: 一部の語学学校やワーキングホリデービザではTOEICが使えることもあります。
Q4: TOEIC 900点なのにIELTS 6.0しか取れませんでした。なぜ?
A: よくあるケースです。主な原因は:
- スピーキング・ライティングの対策不足 - TOEIC L&Rでは鍛えられないスキル
- IELTS形式への不慣れ - 問題形式が全く異なる
- アカデミック語彙の不足 - TOEICとは出題範囲が違う
対策: IELTS専用の対策を2〜3ヶ月行えば、7.0レベルまで到達可能です。
Q5: IELTSの勉強はTOEIC対策にもなりますか?
A: はい、特にリスニング・リーディングスキルは共通して向上します。
ただし、IELTSで学ぶアカデミック語彙はTOEICにはあまり出題されないため、TOEIC専用の問題演習も必要です。
まとめ:TOEIC保有者がIELTS対策を始めるなら
重要ポイントの整理
- 換算表は目安 - TOEIC 800 ≒ IELTS 6.0だが、単純換算は危険
- 4技能対策が必須 - スピーキング・ライティングは別途練習が必要
- 語彙の追加学習 - IELTS頻出のアカデミック語彙を1,500〜2,000語追加
- 学習期間の目安 - TOEIC 800→IELTS 6.5で約2〜3ヶ月
今日から始める3ステップ
ステップ1: 現状把握 - 無料のIELTS模試を受けて、現在のレベルを確認 - 弱点セクションを特定
ステップ2: 語彙強化 - TOEIC語彙 + IELTS頻出語彙を効率的に学習 - 毎日30分、継続的に
ステップ3: アウトプット練習 - ライティング:週に2〜3本のエッセイ練習 - スピーキング:毎日10分の音読・独り言練習
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著者情報
Ko Inoue WordSprintアプリ開発者。TOEIC 850点の状態からIELTS対策を開始し、約3ヶ月で6.5を達成。439人の学習データ分析と自身の経験を基に、効率的な英語学習法を発信中。


