IELTS

Anki iPhone版は4,000円|30地域の価格実測と無料で使う手順

WordSprint編集部 KoWordSprint編集部 Ko |
18分
Anki iPhone版は4,000円|30地域の価格実測と無料で使う手順

iPhoneでAnkiを入れようとして、4,000円という値札で手が止まった人向けの記事です。

先に答えを3つ。iOSの公式アプリ「AnkiMobile」は4,000円の買い切りで、月額課金もアプリ内課金もありません。App Store 30地域の価格を調べたところ、日本は安い方から6番目でした。ユーロ圏の学習者は同じアプリに5,311円払っています。無料で済ませる道もあり、ただし代償があります。

この記事の価格データは2026年10月13日にApple公式のiTunes Lookup APIから直接取得したものです。推定値ではありません。

iPhone版だけが有料な理由

Ankiは4つの入り口があり、課金が必要なのはiOSだけです。

使う場所 アプリ名 料金
PC(Windows / Mac / Linux) Anki 無料
Android AnkiDroid 無料
ブラウザ AnkiWeb 無料
iPhone / iPad AnkiMobile 4,000円(買い切り)

開発者本人が公式FAQで理由を説明しています。PC版・同期サーバー・iOSアプリの3つを専業で開発しており、AnkiMobileは "my way of putting food on the table"(Anki公式FAQ)だと。つまりiOSアプリは単体の商品ではなく、無料で配っている残り3つの開発費を回収する場所になっている。Android版のAnkiDroidが無料なのは、こちらが別の開発チームによってオープンソースとして作られているからです。

ここで実務上やや厄介なのが、同じFAQに書かれている2つの事実です。レビュー用のプロモコードは配っていない。値下げやセールも当面予定していない。加えてApp Storeの販売形態が買い切りの有料アプリなので、入れて試してから返金を考える以外に、試用の道がありません。

4,000円を払うか、払わずに別の手を考えるか。試してから決める、という選択肢が最初から用意されていません。

単語学習のために今すぐiPhoneで何か始めたい、という段階なら、まず無料で動くものを触ってから課金判断をする方が順序としては素直です。WordSprintは試験日を入れると当日やる分量が自動で決まる単語アプリで、7日間は無料で全機能が使えます。

WordSprintを7日間無料で試す

【独自調査】AnkiMobileの価格を30地域で実測した

「4,000円は高い」という感覚が妥当なのかを確かめるため、App Store 30地域の価格を取得して円換算しました。

結果は直感と逆でした。日本は30地域中25位、つまり安い方から6番目です。

順位 地域 現地価格 円換算
1 フランス 29.99 EUR 5,311円
2 ドイツ 29.99 EUR 5,311円
3 スペイン 29.99 EUR 5,311円
4 オランダ 29.99 EUR 5,311円
5 イタリア 29.99 EUR 5,311円
6 アイルランド 29.99 EUR 5,311円
7 英国 24.99 GBP 5,237円
8 韓国 44,000 KRW 5,228円
9 ノルウェー 299 NOK 4,951円
10 ベトナム 799,000 VND 4,890円
11 南アフリカ 499.99 ZAR 4,792円
12 ブラジル 149.90 BRL 4,764円
13 スウェーデン 299 SEK 4,725円
14 タイ 999 THB 4,712円
15 マレーシア 119.90 MYR 4,651円
16 ニュージーランド 49.99 NZD 4,433円
17 インドネシア 499,000 IDR 4,419円
18 オーストラリア 39.99 AUD 4,414円
19 シンガポール 34.98 SGD 4,330円
20 メキシコ 499 MXN 4,325円
21 ロシア 2,290 RUB 4,324円
22 トルコ 1,299.99 TRY 4,176円
23 インド 2,499 INR 4,136円
24 ポーランド 99.99 PLN 4,037円
25 日本 4,000 JPY 4,000円
26 中国 168 CNY 3,972円
27 米国 24.99 USD 3,962円
28 台湾 790 TWD 3,921円
29 カナダ 34.99 CAD 3,886円
30 フィリピン 1,490 PHP 3,767円

30地域の中央値は4,542円で、日本の4,000円はそれより542円安い。最も高いユーロ圏とは1,311円の差がつきます。この30地域のうち日本より安かったのは、中国・米国・台湾・カナダ・フィリピンの5地域です。

ここは正確に書いておきます。上の30地域は全世界ではありません。対象を61地域まで広げて同じ条件で測り直すと、日本より安いのは11地域になりました。表の5地域に加えて、香港3,798円、スイス3,803円、エジプト3,914円、パキスタン3,950円、アルゼンチンとスリランカが3,962円です。「日本が世界で6番目に安い」ではなく、「主要30地域なら下から6番目、61地域なら下から12番目」が正確な言い方になります。

範囲を広げても結論の向きは変わりません。61地域の中央値は4,725円で、30地域で測ったとき(4,542円)より上がりました。新興国を足せば中央値は下がりそうに見えますが、ユーロ建ての19地域が揃って最高値の29.99 EURなので、母数を増やすほど高い側が厚くなる。日本が中央値よりはっきり安い側にいる、という結論はどちらの範囲でも同じです。

同じアプリをドイツの学習者は5,311円で買っている。日本の価格が特別に吊り上げられているわけではなかった、というのがデータの答えです。

地域差の理由も公式FAQに書いてあります。各国の税金と事業コストに応じてAppleが価格を決めている、と。開発者が日本向けに価格を上乗せしているわけではない。

調査方法

誰でも同じ手順で再現できます。AppleのiTunes Lookup APIにアプリID(AnkiMobileは373493387)と国コードを渡すと、その地域の現地通貨価格が返ってきます。

https://itunes.apple.com/lookup?id=373493387&country=jp

円換算には2026年10月12日23:57 UTC時点の為替レート(open.er-api.com)を使いました。為替は動くので、円換算の順位は時期によって入れ替わります。現地価格そのものはApple側の価格帯設定なので、こちらは頻繁には変わりません。

表の30地域は、日本の学習者が比較対象として思い浮かべやすい主要市場から選びました。ひとつ断っておくと、ユーロ圏は国ごとに価格が違うわけではありません。フランスもドイツもスペインも同じ29.99 EURで、Appleがユーロ圏にひとつの価格を設定しているだけです。表では国別に並べているので1位から6位を占めていますが、実質は1つの価格帯だと思って読んでください。

なお地域をまたいでアプリを買うのは、その国のApp Storeアカウントと決済手段が必要になるため、節約手段としては現実的ではありません。この表は「日本の価格設定が妥当かどうか」を判断するための材料です。

4,000円の損益分岐点

買い切りの評価軸は月額との比較です。4,000円を月額料金で割るだけで、何ヶ月目に元が取れるかが出ます。

比較対象の月額 支払い総額が4,000円に並ぶ時期 以降はAnkiMobileが安い
500円 8ヶ月(4,000円) 9ヶ月目から
1,000円 4ヶ月(4,000円) 5ヶ月目から
1,500円 2.7ヶ月(3ヶ月で4,500円) 3ヶ月目から
2,000円 2ヶ月(4,000円) 3ヶ月目から

月500円程度のアプリと比べても、8ヶ月で並び、9ヶ月目からは買い切りの方が安い。1年以上続ける前提なら、コストだけで見ればAnkiMobileに勝てる選択肢はほぼありません。これは自社アプリを売っている立場から見ても、ごまかしようのない算数です。

買い切りの強さはここで終わりません。公式FAQによれば、1回の購入で自分のiOS端末5台まで使えて、ファミリー共有にも対応しています。iPhoneを買い替えてもApple IDが同じなら買い直しは不要で、iPadにも同じ購入で入る(App Storeの登録上もiPhone/iPad共用アプリです)。10年単位で使う人にとって、4,000円は月あたり33円まで薄まる。

では誰もがAnkiMobileを買うべきなのか。価格で選ぶならAnkiが正解です。分岐点は別のところにあって、それはカードを誰が作るかという問題になります。Ankiは自分で作る前提の道具なので、1枚ずつ単語と訳を入れる作業がそのまま学習時間から引かれていく。出来合いの単語リストを回したいだけなら、その手間は丸ごと無駄になります。

WordSprintはIELTS頻出6,000語を収録済みで、カードを作る工程がありません。7日間は無料で全機能を試せます。

WordSprintを7日間無料で試す

無料でiPhoneで使う手順

払わずに済ませる方法は実在します。ブラウザ版のAnkiWebです。公式ドキュメントも、AnkiWebで "study online" できると明記しています。

手順は3つ。

  1. PC版Anki(無料)でカードを作る
  2. PC版の同期ボタンからAnkiWebアカウントにログインして同期する
  3. iPhoneのSafariでankiweb.netを開き、ログインして復習する

カードをめくる、難易度を評価する、といった復習の基本動作はブラウザでも通ります。Ankiを始めたばかりで、まず続くかどうかを見極めたい段階なら、この運用で十分です。始め方そのものはAnkiの使い方にまとめています。

無料運用で失うもの

AnkiMobileを買う場合と比べて、はっきり失うものが2つあります。

オフラインで使えない。AnkiWebはサーバー上の学習画面を開く仕組みなので、通信が切れれば復習も止まります。地下鉄の移動中が一番の学習時間だという人には、これが致命傷です。AnkiMobileを買う最大の理由はおそらくここにあります。

PC版が必須になる。AnkiWebのブラウザ画面は復習が主で、カードの作成・編集をまとめてやる作りにはなっていません。AnkiMobileならiPhone単体でカードを作れますが、無料ルートではPCが前提条件になる。PCを持っていない人にとって、この道は最初から成立しません。

一方、よく代償として挙げられるものの、実際には有料版でも変わらない点が2つあります。アドオンは公式マニュアルでもPC版の項目として扱われている仕組みで、AnkiMobileを買っても使えません。6ヶ月放置でデータが消える件も、無料ルート固有の話ではなく、AnkiWebアカウント全体の規定です。

その6ヶ月の規定は知っておく価値があります。公式ドキュメントによると、6ヶ月間アクセスも同期もないアカウントは、サーバー上のデータが削除される場合があります。警告メールは届きますが、これは1週間以上サービスを使っていた人が対象です。数日触っただけで放置したアカウントには通知が来ません。警告から30日以内にankiweb.netにログインするか、どれかの端末で同期すれば回避できる。消えるのはカードと学習履歴で、アカウント自体は残ります。

結局、無料ルートは「PCを持っていて、オフライン学習をしない人」の選択肢です。条件に当てはまらないなら、4,000円を払うか、別のアプリを選ぶかになります。

買うべき人、まだ買わなくていい人

価格ではなく、使い方で決まります。

4,000円を払う価値がある人は、すでにPC版Ankiで自分のデッキを育てていて、移動中にオフラインで回したい人です。自作カードに音声や画像を仕込んでいる人も、ブラウザ版では再現しきれないのでアプリ側に投資した方がいい。目安として、1年以上続ける確信があるなら迷う理由はありません。

まだ払わなくていい人は3種類に分かれます。Ankiを触って1ヶ月未満で、続くかどうか分からない人。カード作成そのものが負担になっている人。そして、デッキを自分で設計する気がなく、出来合いの単語帳を回したいだけの人です。

3つ目が一番多いと見ています。単語学習アプリを開発していて実感するのは、学習者が最初に投げ出すのは暗記ではなく準備作業だという点です。Ankiの強さはカードを自由に設計できることにあり、その自由は設計する手間と引き換えになっている。IELTS 6.5を取るまでの自分の学習でも、教材を選び直している時間が一番無駄でした。だから設計を自由にできることが利点にならない人にとって、Ankiは4,000円の問題ではなく、向き不向きの問題です。

共有デッキで準備作業を省く手もあります。目的別の選び方はAnki共有デッキおすすめ10選に、IELTS向けのデッキ選びと設定はIELTS単語はAnkiで覚えるにまとめました。

よくある質問

AnkiMobileに無料体験はありますか

App Storeで買い切りの有料アプリとして売られているため、無料体験の枠組み自体がありません。公式FAQもレビュー用のプロモコードは配っていないと明言しています。PC版とAnkiWebが無料なので、まずそこで試してから購入するのが公式に近い導線です。

似た名前の安いAnkiアプリを買ってもいいですか

おすすめしません。公式は、Ankiの名を使う他アプリについてエコシステムと互換性がなく機能も少ないと注意しています。購入前に販売者名が「Anki Software LLC」であることを確認してください。App Storeの正規ページから入るのが確実です。

iPadを持っている場合、もう一度買う必要がありますか

不要です。同じApple IDならiPhoneとiPadの両方に入ります。公式FAQによれば上限は5台で、ファミリー共有にも対応しています。

Androidでも4,000円かかりますか

かかりません。AnkiDroidは無料です。開発チームが別で、オープンソースとして公開されています。

値下げを待つべきですか

待つ意味は薄いと見ています。公式FAQが、当面は価格改定もセールも予定していないと書いています。

まとめ

実測から言えることは3つです。

4,000円という価格は日本だけ高いわけではなく、30地域中25位、ユーロ圏より1,311円安い。月額500円のアプリと比べても8ヶ月で元が取れるので、長く使うならコストで負けることはない。そして無料ルートは実在するが、オフライン学習を捨てて、PCを持っている人に限られる。

判断すべきは金額ではなく、カードを自分で設計したいかどうか。設計が楽しいならAnkiMobileは安い買い物です。準備より暗記に時間を使いたいなら、出来合いのアプリを選んだ方が続きます。

IELTS対策で単語を増やしたい段階なら、試験日から逆算して当日の分量が決まるWordSprintを試してみてください。カードを作る工程はありません。

WordSprintを7日間無料で試す

著者情報

Ko Inoue。IELTS 6.5取得。IELTS単語学習アプリ「WordSprint」開発者。忘却曲線に基づく復習スケジューリングを自分で実装した経験から、単語学習ツールの設計を記事にしています。

本記事の価格データはiTunes Lookup API(2026年10月13日取得)、為替はopen.er-api.com(2026年10月12日23:57 UTC)に基づきます。同期とデータ保持の仕様はAnki公式ドキュメント、価格と購入条件は公式FAQ、PC版が無料である点はAnki公式サイトを参照しました。価格・仕様の変更に気づいた方は [email protected] までご連絡ください。