IELTSの4技能で、日本人受験者の平均スコアが低いのはライティングとスピーキングのアウトプット2技能です。そして独学が一番難しいのがライティング。リーディングやリスニングは答え合わせができますが、自分のエッセイがBand 6なのか6.5なのかは、自分では判定できません。
だから添削が要る。ここまでは多くの記事が言う通りです。問題は「どこに頼むか」で、2026年の今は選択肢が2系統あります。プロによる人力添削サービスと、ChatGPTなどのAI添削です。
この記事では、日本語フィードバック対応の添削サービス2つを料金つきで比較し、そのあとでChatGPTにBand Descriptor基準の添削をさせる実用プロンプトを公開します。料金は2026年8月に各公式サイトで確認した値です。
【結論】人力とAIの使い分け
先に判断基準を示します。
- 毎日の練習量をこなす段階 → AI添削。無料で回数無制限、数十秒で返ってくる。精度の限界はあるが、量稽古の壁打ち相手としては十分
- 本番2〜4週間前の総仕上げ → 人力添削。お金を払う価値があるのは、AIには真似できない「試験官視点での判定」と「自分の癖の指摘」
「全部AIで済ませる」も「最初からプロに毎回出す」も、どちらも遠回りです。安い方で量を打ち、高い方は的を絞って使う。この前提で、それぞれの選択肢を見ていきます。
日本語対応の添削サービス比較【2026年8月確認】
日本語フィードバックがあり、料金体系が公式サイトで明示されているサービスを比較します。
| 項目 | Mr.Writing | IELTS MyEssay |
|---|---|---|
| 運営 | Mr.ライティング | プラスワンポイント(2013年創業のIELTS専門校) |
| 料金 | 単発5,500円/1答案 5回コース22,000円(1回4,400円) |
無制限プラン AU$299/月 ライトプラン AU$149/月 チケット AU$80/1本 |
| 日本語フィードバック | あり | あり |
| 納期 | 3営業日以内 | 24〜96時間(オプションによる) |
| 特徴 | TA/CC/LR/GRAの4基準で分析、ネイティブとのダブルチェック、リライト提出可(5回コースのみ) | 添削本数無制限のサブスク型が選べる、内容と表現の2種フィードバック |
※ 為替と料金改定があるため、申し込み前に必ず公式サイト(Mr.Writing・IELTS MyEssay)で最新料金を確認してください。MyEssayは初月が通常月額よりAU$50高い設定です(無制限プランは初月AU$349)。
どちらを選ぶか
単発で数本だけ見てほしいならMr.Writingです。1本5,500円は安くありませんが、4つの採点基準それぞれに日本語の改善解説が付き、リライトの再提出までできる。「なぜこの答案が6.0なのか」を言語化してもらう目的に合っています。
短期集中で本数を打ち込みたいならMyEssayの無制限プランが機能します。AU$299/月は円換算で3万円台前半(公式サイト表示で約3.4万円、2026年8月時点)。1ヶ月に15本出せば1本2,200円前後の計算で、直前期の追い込みに向いた設計です。
海外系の英語フィードバックサービス(IELTS-Blogなど)は1本あたりの単価が安い傾向がありますが、フィードバックが全て英語で、料金ページの構成も頻繁に変わります。英語の指摘を読み解ける中上級者向けの選択肢と考えてください。
ChatGPTでIELTSライティングを添削する方法
ここからが、多くの比較記事に載っていない部分です。サジェストを見ると「IELTS ライティング 添削 ai」「添削 chatgpt」が上位に来ており、AI添削を日常練習に組み込む選択肢が現実的になっています。
コピペで使える添削プロンプト
ChatGPTやClaudeに以下を貼り、続けて自分のエッセイを貼ってください。ポイントは、IELTSの公式採点基準(Band Descriptor)の4軸で個別に評価させることです。
あなたはIELTSライティングの採点官です。これから貼るTask 2のエッセイを、
公式のBand Descriptorに沿って次の4軸で個別に評価してください。
1. Task Response(設問への応答)
2. Coherence and Cohesion(論理構成とつながり)
3. Lexical Resource(語彙の幅と正確さ)
4. Grammatical Range and Accuracy(文法の幅と正確さ)
出力形式:
- 各軸のバンドスコア(0.5刻み)と、その根拠となる本文中の具体例
- 4軸のうち最もスコアを下げている軸と、その改善方法3つ
- 語彙・文法の誤りを原文→修正の対比表で列挙
- 最後に、同じ内容をBand 7相当で書き直したモデル答案
設問: [ここに設問を貼る]
エッセイ: [ここに自分のエッセイを貼る]
「甘口にならず、疑わしい場合は低い方のバンドを付けてください」と一文足すと、判定が引き締まります。
AI添削の限界も知っておく
LLMを扱う開発者として正直に書くと、AIの採点には2つの弱点があります。
第一に、スコアの一貫性が弱い。同じ答案でも試行ごとに0.5〜1.0揺れることがあり、公式の採点より甘めに出る傾向もあります。AIが付けた「6.5」を本番の予測値として信用するのは危険です。
第二に、試験官の視点を完全には再現できない。Band Descriptorの文言は学習していても、「実際の試験でこの答案がどう扱われるか」という判定の勘所は、採点経験のある人間に分があります。
なので使い方はこうなります。AIには誤りの検出・言い換えの提案・構成の壁打ちをさせる。スコアの判定と本番前の最終確認は人力に任せる。冒頭の使い分けはこの理屈です。
費用シミュレーション|2ヶ月でいくらかかるか
検証した料金をもとに、本番まで2ヶ月・週2本ペースで書く場合の組み立てを3パターン試算します。
| プラン | 内訳 | 合計目安 |
|---|---|---|
| 最小コスト | 16本全てAI添削(無料)+ 直前にMr.Writing単発1本 | 5,500円 |
| バランス | 12本をAI + Mr.Writing 5回コースで型を矯正 | 22,000円 |
| 量産重視 | 序盤1ヶ月はAI + 直前1ヶ月はMyEssay無制限 | 約3.4万円(初月は約3.9万円) |
最小コストの5,500円でも、AIで量を打った答案の最終確認としてなら投資対効果は十分あります。逆に、AIを挟まず16本全てを人力に出すと単発料金で8万円を超える。この差が「使い分け」の意味です。
なお、添削1本を活かし切る1週間の回し方はシンプルで、月曜に書いて提出→返却されたら指摘を全て反映してリライト→週末に同じ設問をもう一度ゼロから書く、の3段です。リライトまでやって初めて添削費の元が取れます。
添削を受ける前にやっておくこと
添削は「書けた答案の質」を上げる手段で、書くための材料は増やしてくれません。1本5,500円の添削で「語彙が単調」と指摘されてから語彙を増やし始めるのは、順番として損です。
- 設問タイプ別の書き方の型はIELTSライティング対策ガイドで先に押さえる
- 言い換え表現はパラフレーズの基本と頻出50選で仕込む
- Task 1の図表描写・Task 2の頻出テーマ語彙はライティング頻出単語100選でカバーする
語彙の底上げを毎日のスキマ時間で回したい人には、忘却曲線ベースで復習タイミングを自動管理するWordSprintを開発者として作っています。添削で指摘された単語を確実に定着させる用途に合います。
よくある質問(FAQ)
Q1: 無料でIELTSライティングを添削してもらう方法はありますか?
ChatGPTの無料プランで上のプロンプトは動きます。人力で無料となると、英語学習コミュニティでの相互添削くらいですが、指摘の質は保証されません。日常はAI無料添削、ここぞの数本だけ有料と割り切るのが現実的です。
Q2: 添削は何本くらい受ければ効果がありますか?
本数より「同じ課題を書き直したか」が効きます。1本添削→指摘を反映してリライト→再確認、のサイクルを4〜5課題回す方が、10本を出しっぱなしにするより伸びます。Mr.Writingの5回コースがリライト再提出可なのはこの点で合理的です。
Q3: ChatGPTの添削だけで6.5は取れますか?
語彙・文法の誤り修正だけならAIでかなり詰められます。ただしTask Responseの判定(設問に正面から答えているか)はAIの精度が揺れるため、6.5以上を狙うなら本番前に一度は人力のチェックを挟むことを勧めます。
Q4: 添削と並行して何を勉強すべきですか?
語彙です。ライティングの採点4軸のうちLexical Resourceは、添削のフィードバックだけでは伸びません。スコア別の必要語彙はIELTSスコア完全ガイドを参考に、日々の単語学習と並行してください。
まとめ
添削サービス選びの答えは「どちらか」ではなく順番です。日常の量稽古はChatGPTのプロンプト添削で無料で回す。型と語彙を仕込んだ上で、本番前にMr.Writing(単発派)かIELTS MyEssay(量産派)で試験官視点の最終確認を入れる。
ライティングは4技能で一番、独学の工夫が結果に直結するセクションです。財布と相談しながら、今日書いた1本をまずAIに投げるところから始めてください。
著者: Ko Inoue(IELTS 6.5取得、IELTS単語学習アプリ「WordSprint」開発者)


